ちょっと前,ある友人と特に何でもない話をしている時に,ego-wrappin'の
名前が挙がった.
たぶん,エゾかフジの話でもしていて,その名前をあたしから挙げたんだと思うが,
彼は「まあ,今さらego-wrappin'なんて言われてもねぇ〜」なんて言ってきた.
それを聞いた時,「あれ,今の発言,どこかちょっとおかしくない?」と思ったけど,
その発言のどこがおかしいのか,即座には判らなかったのでその時は流した.


今,改めて考えてみると,彼はきっとすごく流行に流されやすいタイプの人なのだろう,
と思う.
ここ1年くらいでego-wrappin'が急に表舞台に現れて来たもんだから,それ以前から
ego-wrappin'に注目していた彼は面白くないんだろう.
昔,あたしが初めてego-wrappin'のCDを貸した時には相当気に入って,バンド仲間
に薦めては,人前で自慢気にコピーバンドまでやってたのに・・・.
時間の流れは世知辛い.


彼はいわゆるサイレントメジャーが好きで,それに世間が注目し始めると,意気揚揚と
「自分はもっと前から聴いてたもんね,でももうそんなのとっくに飽きたんだもんね.
何,みんな今頃知ったの?」
と声高に言うタイプなんだろう.
きっと,「へぇー,すごいねー,前からこんな言いの聴いてたんだ,さすがだねぇ〜」
とでも言って欲しいのだろう.


そして困ったことに,そういう人に限って自分が流行に惑わされているってことに気付いて
いない.
流行り出したから聴くってことよりも,流行り出したから聴くのやめるっていうことの
方が,数倍ださいと思うんだけど.


音楽にしろ何にしろ,出会うきっかけが「流行っているから」でも良いと思う.
その人のペースに合った出会いのタイミングってあると思うし.
その時期が早かろうが遅かろうが,出会ってしまったが百年目.そこから深めて行けば
良いのだ.
彼の場合,egoとの出会いの時期がたまたま世間よりもほんのちょっと早かっただけなの
だよ.


彼に,あたしが今Bpnnie Pinkの5年前のアルバム掘り返して聴いてるって言ったら笑うかね.


そんなちっぽけな自分の優越感だけの為に,その音楽との関係を絶ってしまうなんて,
なんて寂しい音楽人生!
もっと堂々と,時間とか流行とか抜きにして「この音楽が好きなんだ!」って胸張って
言いたい.