小心者のあたしが前々から思っていたことなのだが,例えばあたしに,仲良し
とはいかないまでも日頃かなりお世話になっているAさんがいるとしよう.別に
好きってほどでもないけど感謝はしている存在.
そしてさらに,あたしと仲の良いBさんという人が別にいるとする.


このBさんはAさんのことを良くは思っておらず,困ったことにその不満を全部あたしに
ぶつける.
あたしはBさんの気持ちもまあ分からんでもなく,友だちだから一緒に怒ってやる
くらいの義理のひとつもしてあげたいのだけど,かといって日頃自分がお世話になってる
Aさんのことを悪く言われるのはやっぱりしゃくだし,大体そんなことをあたしに
言っても何の解決にもならないから,あたしに言うなよって思うけどなんせ小心者
だから,多くの場合「まぁまぁそう言わず」で済ませてしまうのだ.


あたしが困惑するだけってことを知ってか知らずか,Bさんはさもあたしまでが憎いかの
ように怒り続ける.
こういう場合Bさんは,あたしがAさんに日頃世話になってると知りながらAさんの不満を
ぶつけて,一体あたしにどうして欲しいのだろう.
自分が一方的にむかつくAさんの代わりに,あたしに謝ってでも欲しいのだろうか.
もう何ならいっそのことあたしが謝って(本当に無意味だけど),この話題は早く
終わらせてしまいたい気持ちにさえなるけど,それじゃあAさんにあまりにも失礼だし・・・
とか,小心者は結構気を使っているのです.


これはAB間の問題ではなく,実はあたし自身の気持ちの持ちようの問題なのかもしれない
と思うと,現状ではどうすることもできない自分がかなり疎ましいし,Bさんに対して
憤りを感じる気力さえ無くしてしまうのです.
あたしは結構こういうことが多くて,その度に「どうしてAさんにはお世話になってると
いう自分の立場を,もっと相手に理解させる努力をしないのか」と反省する.
自分のためにもならないし,中傷を黙認したも同然だという意味でAさんにも申し訳ない.
しかも,自分だって無意識のうちにBさんになってることがあるだろうなと思うと,
けっこう恐い.


まあ世の中の全員があたしみたいな小心者な訳はないんだけど.